第2四半期のビットコインのパフォーマンス分析

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ビットコインの第2四半期パフォーマンス分析:歴史的傾向と特性

過去10年間におけるビットコインの第2四半期(4月-6月)のパフォーマンスは、大きな変動と興味深いパターンを示しています。このレポートでは、歴史的データに基づき、ビットコインの第2四半期のリターン、ボラティリティ、および特徴的な傾向を分析します。

歴史的リターンの分析

過去10年間(2015年-2024年)の第2四半期リターンを分析すると、大きなばらつきが見られますが、平均して正のリターンを示しています。
第2四半期の平均リターンは27.66%となっており、暗号資産市場における相対的な成長性を示しています。

年別第2四半期リターン(2015-2024年)

Q2リターン(%) ボラティリティ(%)
2024 -9.79 2.49
2023 7.23 2.14
2022 -56.94 3.84
2021 -40.33 4.93
2020 37.09 3.41
2019 156.03 4.47
2018 -6.15 3.85
2017 121.43 3.94
2016 61.57 3.17
2015 6.48 1.96

表からわかるように、第2四半期のリターンは-56.94%(2022年)から+156.03%(2019年)まで大きく変動しています。このような大きな変動性にもかかわらず、第2四半期は歴史的にビットコインにとって良いパフォーマンスを示す期間であり、中央値リターンが最も高く、勝率も高い四半期の一つとされています。

https://www.nydig.com/research/q2-2024-review-and-look-ahead

ボラティリティの特性

第2四半期のボラティリティは平均して3.42%となっています。年ごとのボラティリティを見ると、1.96%(2015年)から4.93%(2021年)の範囲で変動しています。興味深いことに、リターンが大きく変動する一方で、ボラティリティは比較的安定しており、ほとんどの年で3-4%の範囲内に収まっています。

この期間のボラティリティの特性は、市場の成熟度や機関投資家の参入、規制環境の変化など、様々な要因により影響を受けていると考えられます。

注目すべき年の分析

2019年(+156.03%)

2019年の第2四半期は過去10年間で最も高いリターンを記録しました。この顕著なパフォーマンスは、前年の「クリプトウィンター」と呼ばれる長期的な下落相場からの回復期に当たり、市場心理の改善と機関投資家の関心の高まりが背景にあったと考えられます。

2017年(+121.43%)

2017年の第2四半期も非常に高いリターンを記録しました。この年はビットコインの価格が史上初めて1万ドルを超えた年であり、ICO(初期コイン提供)ブームと相まって暗号資産市場全体が大きく成長した時期でした。

2022年(-56.94%)

反対に、2022年の第2四半期は大きなマイナスリターンを記録しました。この時期は市場全体のリスク回避傾向が強まり、暗号資産市場も大きく下落しました。特に、テラ/ルナの崩壊などの大きな市場ショックがこの時期に発生し、市場心理に大きな影響を与えました。

2024年第2四半期の分析

2024年の第2四半期はビットコインにとって期待を下回るパフォーマンスとなり、約9.79%の下落を記録しました。4月初旬には約7万1000ドル付近で取引されていたビットコインは、6月末には約6万800ドルまで下落し、14%超の下落となりました。

この下落の背景には、ビットコイン現物ETFへの資金流入の鈍化や、ときには流出への転換、さらに金利引き下げ期待の後退などが影響していると考えられます。また、マイナーの報酬半減(ハービング)が4月に実施されましたが、価格のカタリストとはならず、期待とは異なる結果となりました。

第2四半期の特性と季節性

興味深いことに、複数の情報源によると、第2四半期はビットコインにとって歴史的に良いパフォーマンスを示す期間だとされています。特に中央値リターンが高く、勝率も高い四半期の一つとされています。

一方で、第2四半期の後に続く第3四半期(7-9月)は、過去13年間で平均リターンがわずか5%であり、第2四半期と第4四半期の平均リターンが60%以上になっていることに比べて、最も弱い四半期となる傾向があります。

また、歴史的に、ビットコインが6月(第2四半期最後の月)にマイナスになった場合、7月に強く立ち直る傾向があり、この月に平均7.98%、中央値9.60%のリターンを示しているという分析もあります。

これらの歴史的データは、投資家や市場参加者がビットコインの季節性やパターンを理解する上で重要な指標となりますが、過去のパフォーマンスが将来のリターンを保証するものではないことに留意する必要があります。市場環境、規制状況、マクロ経済要因など、多くの変数がビットコインの価格に影響を与え続けるでしょう。

QCPキャピタルの25日市場分析によると、第2四半期(Q2=4~6月)、特に4月はリスク資産にとって過去最高のパフォーマンス期間とされる。
S&P500はQ2に平均年率19.6%のリターンを記録し、ビットコイン(BTC)も第4四半期に次ぐ好パフォーマンスを示している。

https://coinpost.jp/?p=604518

四半期ごとの平均リターン比較

第4四半期が最も高い平均リターン(79.53%)を示し、第2四半期(27.46%)は第1四半期(55.14%)に次ぐパフォーマンスです。

第2四半期の月別平均リターン

4月(10.83%)と5月(9.25%)は比較的高いリターンを示す傾向がありますが、6月(1.89%)は低調です。

直近6年間の第2四半期パフォーマンス推移

2019年(157.83%)と2020年(42.33%)に高いパフォーマンスを示した後、2021年(-40.40%)と2022年(-56.21%)は大幅なマイナスリターンとなりました。2023年以降は比較的安定しています。

年ごとの第2四半期月別パフォーマンス(2012-2024)

結論

過去10年間のデータ分析から、ビットコインの第2四半期パフォーマンスは以下の特徴を持つことが明らかになりました:

  • 平均リターンは27.66%であり、全体としてはプラスのパフォーマンスを示す傾向があります。
  • 年によって大きな変動があり、-56.94%から+156.03%までの幅広いレンジで推移しています。
  • ボラティリティは平均3.42%と比較的安定しています。
  • 2019年と2017年はそれぞれ156.03%と121.43%という非常に高いリターンを記録しました。
  • 最新の2024年第2四半期は約9.79%の下落となり、過去の平均を下回るパフォーマンスでした。